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宿敵〈上・下〉 (BOOKレビュー1)
評価:
遠藤 周作
角川書店
¥ 504
(1987-09)
豊臣秀吉の家臣、加藤清正小西行長のライバル関係を描いた遠藤周作の作品。
豊臣秀吉には、大きく二つのタイプの家臣がいた。
戦をさせればめっぽう強い、武勇派の加藤清正(虎之助)・福島正則(市松)・加藤嘉明
外交や貿易、政などに頭が切れる、知略派の小西行長(弥九郎)・石田三成(佐吉)
秀吉は、この相反する二つのタイプの武将を様々な形で競わせた。

しかし、戦を得意とし、己の槍・刀によって道を切り開く清正にとって、侍でありながらもまともに戦ができないが、それでいて知行地などを授けられている行長のようなタイプが生理的に合わなかった。また、そういった部分から行長を「所詮、堺の商人の倅」として蔑んでいた。
逆も然りで、行長も清正のような腕づくでしか道を開けないようなタイプが苦手であった。自分が頭が切れるだけに、そのような部分に弱い清正を見下していた。
このようにして、秀吉の狙いとは裏腹に、二人の確執はどんどんと拡がっていく。

そして、ある重大な出来事が起こる。
秀吉によるキリスト教徒国外追放令である。

切支丹であった行長は、この時秀吉より棄教を迫られる。
切支丹大名のうち、この命令に背くことになったのは、高山右近一人のみ。
行長は、その場では、信仰を捨てることを約束するのである。
しかし、今まで信じてきたものを簡単には捨てられない。
そこで、陰で高山右近をはじめ、宣教師などを匿うのである。
この時から、秀吉に対する“面従腹背”の姿勢、つまり表面的には絶対忠誠を誓いつつ、腹の底では反逆の気持ちを持ち続ける。
行長のその後の人生は、この時を境にして変わっていく。

そして、朝鮮出征の折、二人は決定的に違う方向を進む。
清正は、秀吉の命令に絶対服従。
行長は、無駄な戦を早く終わらそうと、裏工作し欺き続ける。

その後、秀吉亡き後(←行長の妻・糸が香で焚いた毒を秀吉に嗅がせて、死期を早めさせたらしい。)の関ヶ原の合戦において、行長は石田三成と組んで西軍に、清正は徳川家康に加担して東軍にと、二人は最後まで逆の道をたどっていく。


豊臣秀吉は、歴史上あまりにも有名であり、英雄の一人に数えられるため、彼を題材にした作品は数多い。
一方、本作品の中心となった加藤清正や小西行長などは、メインとして扱われるのは希ではないだろうか?
それだけに、新しく知ることが多く(私が無知なだけかもしれないが…)、とても面白く読めた。
また、家臣の視点から見る秀吉像もわかり、彼の人心掌握の能力の高さや人の使い方などは、さすがだとあらためて感じた。
清正や行長を知るにも、秀吉を知る上でも欠かせない一作だろう。


author:鬼頭祐介, category:BOOKレビュー, 16:32
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